ある日の朝、喉の奥にほんの少し違和感を覚えて鏡を覗き込んだとき、私は自分の目を疑いました。喉の突き当たりに、これまで見たこともないような小さな赤いブツブツがいくつも並んでいたのです。痛みはそれほど強くなく、少しイガイガする程度でしたが、その見た目の生々しさに私の頭の中は一気に最悪のシナリオで埋め尽くされました。もしかして重い病気ではないか、喉の癌だったらどうしよう、そんな不安が渦巻き、仕事中もスマホで何度も検索を繰り返しては、表示される恐ろしい病名に怯える日々が始まりました。市販ののど飴をなめたり、殺菌効果があるといううがい薬を頻繁に使ったりしてみましたが、ブツブツが消える気配は一向にありません。三日が過ぎ、不安に耐えかねた私は、意を決して近所の耳鼻咽喉科を受診することにしました。診察室に入り、恐る恐る医師に症状を伝えると、先生は細い内視鏡を使ってあっという間に私の喉の奥を確認してくれました。その結果、下された診断は「慢性咽頭炎」でした。先生の説明によれば、私の赤いブツブツは、長年の花粉症による口呼吸や、仕事のストレス、そして無意識のうちに喉を鳴らして痰を切るような癖が原因で、喉のリンパ組織が常に刺激を受けて肥大化したものだということでした。つまり、悪いできものではなく、体が一生懸命に喉を守ろうとした結果の「防御反応」の跡だったのです。癌ではないと断言された瞬間の、全身の力が抜けるような安堵感は今でも忘れられません。先生からは、強い殺菌薬でのうがいは逆に粘膜を傷めることがあるので控えるように、そして何より喉を乾燥させないことが一番の薬だとアドバイスを受けました。それからの私は、こまめに水を飲み、寝る時はマスクを着用し、部屋の湿度を保つことに専念しました。すると、あんなに気になっていた喉の違和感は数週間で気にならなくなり、ブツブツの赤みも徐々に引いていきました。この経験から学んだのは、自分の体の変化に対して過度に恐れるのではなく、まずは専門家の意見を聞くことの大切さです。ネットの情報は時に有用ですが、個別の状態を正確に診断してくれるのはやはり医師だけです。赤いブツブツという目に見える変化は、私に生活習慣の乱れを教えてくれた警報だったのだと今では思っています。もし同じように喉の異変で夜も眠れないほど悩んでいる人がいるなら、迷わず耳鼻咽喉科へ行ってほしいと伝えたいです。確かな診断を得ることで、不安という最大のストレスから解放され、本当の意味で体を労わることができるようになるのですから。
喉に赤いブツブツを見つけて不安になった私の体験記