私の娘が初めて手足口病にかかったのは、保育園の入園から数ヶ月が過ぎた一歳の夏のことでした。口の中の痛みを訴えて激しく泣き、足の裏や手のひらに真っ赤な発疹が広がっていく様子を見て、私は本当に代わってあげたいという一心で看病しました。その際、かかりつけの小児科の先生から「これで一つ免疫がついたから、少しは安心だね」と言われ、私も一度かかればもう大丈夫なのだと勝手に思い込んでいました。ところが、その安堵はわずか二ヶ月後に打ち砕かれることになります。八月の終わり、再び娘の手足にあの見覚えのある発疹が現れたのです。私は耳を疑いました。一度かかって免疫がついたはずなのに、なぜこんなに短期間で再発するのか、もしかして娘の免疫力に問題があるのではないかと不安で胸がいっぱいになりました。慌てて再び病院へ駆け込むと、先生は落ち着いた様子で「今回は違う種類のウイルスをもらってしまったようですね」と説明してくれました。手足口病には原因となるウイルスがいくつもあり、六月に娘がかかったのはおそらくコクサッキーウイルスの一種で、今回はまた別の、例えばエンテロウイルスのような別系統の仕業だろうということでした。免疫がつくというのは、あくまでも「その時に戦った相手」を覚えることであって、似たような別の敵まで防いでくれるわけではないという現実を、私はこの時初めて身をもって知りました。二度目の感染は、一度目よりも少しだけ発疹が大きく、治るまでにも時間がかかりましたが、娘の様子をよく観察していると、一度目の時よりも熱の引きが早く、回復期の食欲も旺盛でした。もしかしたら、全く違うウイルスであっても、体の一部では「似たような戦い」の経験が活かされていたのかもしれません。この体験を通じて、私は免疫というものの仕組みを、より深く、そして謙虚に受け止めるようになりました。病気にかかることは決して親の不注意のせいではなく、子供がこの世界の多様なウイルスたちと出会い、自分の中に一つずつ「防衛記録」を積み重ねていくプロセスなのだと思えるようになったのです。今では、三度目が来ても「また新しい免疫を作っているんだね」と、少しだけ冷静に構えられる自信があります。子供の成長とともに、その体の中に作られていく見えない盾を、焦らずに見守っていこうと心に決めた出来事でした。
二度かかって驚いた手足口病の免疫の不思議な体験