大人がヘルパンギーナにかかった時、その回復を左右すると言っても過言ではないのが、地獄のような喉の痛みの最中に、いかにして栄養と水分を補給するか、です。カミソリで切り裂かれるような痛みの中では、食べる意欲も失せてしまいますが、体力を維持し、ウイルスと戦うためには、少しでもエネルギーを摂ることが重要です。治るまでの期間を少しでも短くするための、食事の工夫を紹介します。まず、絶対に避けるべきは「刺激物」です。熱いもの、酸っぱいもの(酢の物、柑橘類、トマトなど)、塩辛いもの、香辛料の効いた辛いものは、喉の潰瘍に直接染み込み、激痛を引き起こします。これらは症状が完全に治まるまで、食卓から追放しましょう。また、おせんべいや硬いパン、繊維の多い野菜など、物理的に喉を刺激する固形物も避けるべきです。では、何を食べれば良いのでしょうか。キーワードは「冷たくて、喉越しが良く、栄養価が高いもの」です。最もおすすめなのが、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトといった、冷たくてツルンと食べられるものです。これらは糖分も補給でき、喉を冷やすことで一時的に痛みを和らげる効果も期待できます。豆腐(冷奴)、茶碗蒸し(よく冷ましたもの)、裏ごししたカボチャやジャガイモの冷製ポタージュスープなども、タンパク質やビタミンを補給できる優れたメニューです。栄養補助食品のゼリー飲料も、手軽にカロリーとビタミンを摂取できるので、非常食として常備しておくと良いでしょう。そして、食事以上に大切なのが「水分補給」です。高熱で汗をかくため、脱水症状に陥りやすい状態です。しかし、水を飲むことさえ激痛を伴います。そんな時は、一気に飲むのではなく、ストローを使って、少量ずつ、こまめに口に含むようにしましょう。麦茶やイオン飲料(経口補水液)などがおすすめです。痛みのピークである数日間は、無理に固形物を食べようとせず、水分と、ゼリーやアイスクリームなどの流動食だけでも構いません。まずは脱水を防ぐことを最優先に考え、痛みが和らいできたら、徐々におかゆやうどんなど、柔らかいものから食事を再開していきましょう。
治るまでの食事の工夫!大人のヘルパンギーナ