夜ふかしをしているわけではないのに布団に入っても目が冴えてしまう、あるいは夜中に何度も目が覚めてしまい疲れが取れないといった悩みは、私たちの生活の質を著しく低下させます。不眠の状態が続くと日中の集中力が低下するだけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めることも知られています。しかし、いざ専門家に相談しようと考えたとき、一体何科に行けばよいのか迷ってしまう方は少なくありません。不眠の症状で最初に検討すべきなのは、基本的には内科、心療内科、精神科のいずれかです。もし、眠れない原因が身体的な不調、例えば咳や痛み、あるいは頻尿などの明らかな症状に伴うものであれば、まずはお近くの一般内科を受診するのが適切です。身体の不快感を取り除くことで自然と眠りが改善されるケースは非常に多く、また、内科でも基本的な睡眠導入剤の処方や生活指導を受けることができます。一方で、仕事のストレスや人間関係の悩みなど、心の問題が背景にあると感じる場合は、心療内科や精神科が適しています。心療内科は心理的なストレスが身体の症状として現れる「心身症」を主に扱う科であり、眠れないという症状とともに動悸や胃痛などがある場合に適しています。精神科は心の病気そのものを専門的に扱う科であり、気分の落ち込みや強い不安、意欲の低下などが伴う場合に、より専門的なアプローチが期待できます。さらに、いびきが激しい、あるいは寝ている間に呼吸が止まっていると家族から指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるため、呼吸器内科や睡眠外来、耳鼻咽喉科への受診が推奨されます。また、足がムズムズしてじっとしていられないために眠れないという方は、むずむず脚症候群の可能性があるため、神経内科を受診するのが近道です。不眠の症状は多岐にわたり、原因も人それぞれ異なりますが、共通して言えるのは「たかが不眠」と放置しないことです。二週間以上眠れない日が続き、日中の活動に支障が出ているのであれば、それは身体や心からの重要なサインです。何科に行くべきか迷いすぎて受診を先延ばしにするよりも、まずは最も通いやすい内科やかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門の診療科を紹介してもらうというステップを踏むことが、健やかな眠りを取り戻すための最も確実な方法となります。
眠れない悩みを解消するために最初に受診すべき診療科