リンパ節の腫れを主訴に医療機関を受診すると、医師はその原因を突き止めるために、いくつかの診察や検査を行います。原因が明らかな感染症であれば簡単な診察で終わることもありますが、原因不明の場合や悪性の病気が疑われる場合には、より詳しい検査が必要となります。どのような検査が行われるのか、その流れを知っておくことで、過度な不安なく診察に臨むことができます。まず、基本となるのが「問診」と「触診」です。問診では、いつから腫れに気づいたか、痛みや熱はあるか、他にどんな症状があるか、最近風邪をひいたり怪我をしたりしなかったか、といったことを詳しく聞かれます。触診では、医師が直接リンパ節を触り、その大きさ、硬さ、表面の状態、可動性(動くかどうか)、痛みの有無などを丁寧に確認します。この問診と触診で、ある程度の原因を推測することができます。次に、炎症の有無や、血液細胞の数や種類に異常がないかを調べるために「血液検査」が行われます。白血球の数や炎症反応(CRPなど)の値を調べることで、細菌やウイルス感染の程度がわかります。また、白血球の種類の異常から、白血病などの血液疾患の可能性を探ることもできます。腫れているリンパ節の状態をより詳しく、客観的に評価するために「画像検査」も重要です。最も手軽に行えるのが「超音波(エコー)検査」で、リンパ節の内部構造や、形、大きさ、周囲との関係などをリアルタイムで観察することができます。良性か悪性かを判断する上で、非常に有用な情報が得られます。場合によっては、より広範囲の状態を調べるために、CT検査やPET-CT検査が行われることもあります。これらの検査を行っても診断が確定しない場合や、悪性リンパ腫などが強く疑われる場合には、最終的な確定診断のために「生検(せいけん)」が行われます。これは、腫れているリンパ節の一部、または全体を、局所麻酔や全身麻酔下で採取し、顕微鏡で詳しく調べる病理組織検査です。これにより、良性か悪性か、悪性であればどのような種類のがん細胞なのかを確定させることができます。全てのケースでこれらの検査が行われるわけではありませんが、リンパの腫れの原因を正確に突き止めるために、段階的に必要な検査が進められていくのです。