我が家の長男が杉花粉症によるひどい鼻水と目のかゆみに悩み始めたのは幼稚園の年長に上がる頃のことで春先になると外遊びもままならず鼻を真っ赤にして涙を流す姿を見るのは親として本当につらいものでした。市販の薬や処方薬でしのいできましたが薬を飲むとどうしても日中に強い眠気が出てしまい小学校の授業に集中できないのではないかという不安もありそんな時に耳鼻科の先生から提案されたのがアレルギーの根本的な改善を目指す舌下免疫療法でした。この治療法はアレルギーの原因となる物質を少量ずつ体内に取り入れることで体を徐々に慣らしていくというもので対象が五歳以上であれば受けられると聞き小学校入学を機に思い切ってスタートさせることにしました。最初のハードルは毎日欠かさず薬を舌の下に保持し一分間待つというルールを子供が守れるかどうかで服用後五分間は飲食やうがいが禁止されているため朝の忙しい時間帯にこのルーチンを組み込むのは至難の業に思えましたが実際に始めてみると最近の薬はラムネのようにすぐに溶けるタイプで味も悪くないらしく子供はそれほど抵抗なく受け入れてくれました。我が家では朝食後の歯磨きが終わったタイミングを舌下免疫の時間と決めカレンダーにシールを貼ることでゲーム感覚で続けられるよう工夫しました。治療を開始して最初の数週間は舌の下に軽いかゆみや違和感を訴えることがあり副作用ではないかとハラハラした時期もありましたが先生からは初期によく見られる反応なのでひどくなければ続けて大丈夫と言われていたので様子を見ながら継続し一ヶ月を過ぎる頃にはその違和感も消失し生活の一部として完全に定着しました。そして迎えた二度目の春に劇的な変化があるのか半信半疑でしたが明らかに例年とは違う息子の姿があり以前なら外出も拒んでいた時期に公園に行きたいと言い出し鼻水もティッシュが手放せないほどではなくなりこれまで使っていた強い薬の量を大幅に減らすことができ本人の表情も格段に明るくなりました。この治療は最低でも三年から五年は継続する必要があると言われていますが今の成果を目の当たりにすると長く付き合っていく価値は十分にあると感じていますし子供が将来にわたって花粉症の苦しみから解放される可能性があるのならこれほど意義のある投資はないと思っています。現在も毎朝の服用を続けていますが今では息子自身が今日もこれを飲めば春が怖くないもんねと言って自ら薬を準備するようになりましたしアレルギーに悩むお子さんを持つ親御さんにとって日々の管理は確かに大変ですがその先にある穏やかな春を想像すればこの一歩を踏み出す勇気は決して無駄にならないはずです。