キッチンや洗面所の隅で、仰向けになって動かなくなったゴキブリの死骸を見つけたとします。その時、あなたはどう感じますか。「やった、一匹退治できた」と安堵するでしょうか。しかし、その一匹の死骸は、決して安心材料にはなりません。むしろ、それは目に見えない場所に、さらに多くのゴキブリが潜んでいることを示す危険な兆候である可能性が高いのです。なぜなら、家の中でゴキブリの死骸が発見されるということは、その個体が死ぬまでの間、あなたの家の中を安全な場所だと認識して活動していたことの証明に他ならないからです。ゴキブリは非常に警戒心が強く、餌や水、そして隠れ家を求めて行動します。死骸が見つかったということは、あなたの家にはゴキブリが生きるために必要な条件が揃っており、すでに彼らのテリトリーの一部と化していることを意味します。特に注意すべきは、発見した死骸がメスだった場合です。メスのゴキブリは、死ぬ間際に卵鞘(らんしょう)と呼ばれる卵のカプセルを産み落とすことがあります。一つの卵鞘の中には、クロゴキブリで二十数個、チャバネゴキブリでは四十個以上もの卵が入っています。つまり、一匹の死骸のすぐそばで、数十匹の次世代ゴキブリが孵化の時を待っているかもしれないのです。そう考えると、一匹の死骸の発見は、決して駆除の成功物語の終わりではなく、新たな脅威の始まりを告げるプロローグに過ぎないのかもしれません。ゴキブリの死骸を見つけたら、安堵のため息をつくのではなく、警戒のスイッチを入れ直すべきです。それは、あなたの知らないところでゴキブリの活動が活発化していることを知らせる、彼らからの静かな、しかし確実なメッセージなのです。これを機に、家全体の清掃や侵入経路の確認、毒餌の設置など、本格的な対策を始める絶好のタイミングと捉えましょう。
ゴキブリの死骸を発見!それは駆除成功の証か新たな脅威の始まりか