子供の肌に赤いポツポツを見つけた時、「これは水疱瘡?それとも、ただのあせもや虫刺され?」と、判断に迷うことはよくあります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、ある程度の見当をつけることが可能です。ポイント1:発疹の「変化のスピード」と「見た目の混在」水疱瘡の最大の特徴は、発疹が非常に速いスピードで変化していくことです。最初は、ただの赤い点(紅斑)だったものが、わずか数時間から半日で、中心に水滴が乗ったようなキラキラした水ぶくれ(水疱)になります。そして、その水疱が白く濁り(膿疱)、やがて黒っぽいかさぶた(痂皮)になる。この「紅斑→水疱→膿疱→痂皮」という一連の変化が、一つの発疹の上で起こります。そして、新しい発疹が次々と波状的に出現するため、体には、これら全ての段階の発疹が同時に存在している「混在状態」が見られます。一方、あせもは、汗腺が詰まってできる小さな赤いブツブツや、透明な水ぶくれで、通常はここまで劇的な変化はしません。虫刺されは、刺された場所が中心で、複数の段階の発疹が全身に混在することは稀です。ポイント2:発疹が「広がる場所」あせもは、汗をかきやすい首の周りや肘・膝の裏、背中といった場所に集中して現れます。虫刺されは、服から露出している手足や顔が中心です。それに対し、水疱瘡の発疹は、最初は体幹(お腹や背中)や顔から出始め、その後、遠心性に手足へと広がっていきます。そして、皮膚だけでなく、頭皮の中や口の中、目の粘膜、性器といった、普段あまり発疹ができないような場所にも容赦なく出現するのが大きな特徴です。もし、頭皮の中をかきむしっていたり、口の中を痛がったりするようなら、水疱瘡の可能性は高まります。ポイント3:「全身症状」の有無あせもや虫刺されで、高熱が出たり、強い倦怠感を伴ったりすることは、ほとんどありません。一方、水疱瘡は、発疹の出現とほぼ同時に、三十七度から三十八度程度の発熱を伴うことが一般的です。元気がない、食欲がないといった全身症状が見られるかどうかも、重要な見分け方のポイントになります。これらのポイントを総合的に見ても、判断に迷う場合は、自己判断で様子を見ずに、必ず小児科や皮膚科を受診しましょう。特に水疱瘡は、早期に抗ウイルス薬を服用することで、症状を軽くすることができます。疑わしいと感じたら、早めに専門家の診断を仰ぐことが大切です。
水疱瘡かな?あせもや虫刺されとの見分け方