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ゴキブリの死骸は仲間を呼ぶ?フェロモンの恐怖
家の中で一匹のゴキブリの死骸を見つけた後、なぜか立て続けに他のゴキブリを見かけるようになった、という不気味な経験はないでしょうか。それは単なる偶然ではなく、ゴキブリが持つ特殊な生態が関係している可能性があります。実は、ゴキブリは死んだ後も、仲間を呼び寄せる危険なサインを発していることがあるのです。ゴキブリは、コミュニケーションや集合のために「集合フェロモン」という化学物質をフンから分泌しています。このフェロモンは、仲間に対して「ここは安全で、餌や水がある居心地の良い場所だ」というメッセージを伝えます。そのため、ゴキブリのフンが落ちている場所には、他のゴキブリも集まりやすい傾向があります。問題は、この集合フェロモンが、ゴキブリの体自体からも発せられていると考えられている点です。つまり、ゴキブリの死骸が放置されていると、その体から放たれるフェロモンに誘われて、家の外や壁の隙間に隠れていた他のゴキブリが集まってきてしまう危険性があるのです。彼らにとって、仲間の死骸は危険信号ではなく、むしろ「ここに仲間がいる=安全な場所」という目印になってしまうのかもしれません。さらに恐ろしいのは、ゴキブリは共食いの習性を持つことです。弱った仲間や死骸を、貴重なタンパク源として食べることがあります。そのため、一匹の死骸を放置しておくと、それを餌として他のゴキブリが寄ってくるという、まさに負の連鎖が始まってしまうのです。このように、一匹のゴキブリの死骸は、決して物語の終わりではありません。むしろ、さらなるゴキブリを呼び寄せる「寄せ餌」となってしまうリスクをはらんでいます。だからこそ、家の中でゴキブリの死骸を発見した場合は、一刻も早く、そして衛生的に処理することが非常に重要なのです。死骸があった場所もアルコールなどでしっかりと拭き上げ、フェロモンの痕跡を消し去ることを忘れないようにしましょう。