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水疱瘡の時の登園・登校は何日休むべき?
子供が水疱瘡と診断されたら、親として気になるのが、いつから保育園や幼稚園、学校に行けるのか、という点です。仕事の調整が必要になることもあり、具体的な日数の目安を知りたいと思うのは当然のことでしょう。水疱瘡は、学校保健安全法において「第二種の感染症」に定められており、他の子供への感染を防ぐため、出席停止期間が明確に決められています。その基準は、「すべての発疹が痂皮化(かひか)するまで」とされています。つまり、体中にできた全ての水ぶくれが、乾燥して「かさぶた」になるまで、登園・登校はできない、ということです。では、具体的に何日くらいかかるのでしょうか。個人差はありますが、一般的に、発疹が出始めてから、新しい発疹が出なくなるまでに三日から五日ほどかかります。そして、最後の発疹がかさぶたになるまでに、さらに数日を要します。そのため、トータルでの出席停止期間は、発症からおおよそ一週間から十日程度になることが多いでしょう。ただし、これはあくまで目安です。発疹の数が多い子や、途中で掻き壊して化膿してしまった子などは、治癒までにもう少し時間がかかることもあります。登園・登校を再開する際には、自己判断ではなく、必ず医師の診察を受け、「もう感染の心配はない」という証明として、「治癒証明書」や「登園許可書」を書いてもらう必要があります。園や学校によっては、所定の用紙がある場合が多いので、事前に確認しておきましょう。一つ注意点として、全ての発疹がかさぶたになれば、感染力はなくなるとされていますが、かさぶたが全て取れるまでには、さらに一週間から二週間ほどかかります。登園・登校を再開した時点では、まだ体にかさぶたがたくさん残っている状態ですが、これは問題ありません。友達に驚かれることもあるかもしれませんが、もううつる心配はないことを、子供自身にも、そして必要であれば周りの人にも説明してあげられると良いでしょう。
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治るまでの食事の工夫!大人のヘルパンギーナ
大人がヘルパンギーナにかかった時、その回復を左右すると言っても過言ではないのが、地獄のような喉の痛みの最中に、いかにして栄養と水分を補給するか、です。カミソリで切り裂かれるような痛みの中では、食べる意欲も失せてしまいますが、体力を維持し、ウイルスと戦うためには、少しでもエネルギーを摂ることが重要です。治るまでの期間を少しでも短くするための、食事の工夫を紹介します。まず、絶対に避けるべきは「刺激物」です。熱いもの、酸っぱいもの(酢の物、柑橘類、トマトなど)、塩辛いもの、香辛料の効いた辛いものは、喉の潰瘍に直接染み込み、激痛を引き起こします。これらは症状が完全に治まるまで、食卓から追放しましょう。また、おせんべいや硬いパン、繊維の多い野菜など、物理的に喉を刺激する固形物も避けるべきです。では、何を食べれば良いのでしょうか。キーワードは「冷たくて、喉越しが良く、栄養価が高いもの」です。最もおすすめなのが、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトといった、冷たくてツルンと食べられるものです。これらは糖分も補給でき、喉を冷やすことで一時的に痛みを和らげる効果も期待できます。豆腐(冷奴)、茶碗蒸し(よく冷ましたもの)、裏ごししたカボチャやジャガイモの冷製ポタージュスープなども、タンパク質やビタミンを補給できる優れたメニューです。栄養補助食品のゼリー飲料も、手軽にカロリーとビタミンを摂取できるので、非常食として常備しておくと良いでしょう。そして、食事以上に大切なのが「水分補給」です。高熱で汗をかくため、脱水症状に陥りやすい状態です。しかし、水を飲むことさえ激痛を伴います。そんな時は、一気に飲むのではなく、ストローを使って、少量ずつ、こまめに口に含むようにしましょう。麦茶やイオン飲料(経口補水液)などがおすすめです。痛みのピークである数日間は、無理に固形物を食べようとせず、水分と、ゼリーやアイスクリームなどの流動食だけでも構いません。まずは脱水を防ぐことを最優先に考え、痛みが和らいできたら、徐々におかゆやうどんなど、柔らかいものから食事を再開していきましょう。
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かゆみとの闘い!子供の水疱瘡のかゆみ対策
水疱瘡の治療において、親が最も心を砕き、子供が最も苦しむのが、あの耐え難い「かゆみ」との闘いです。かゆみは、特に水疱ができてから膿疱になるまでの時期にピークを迎え、子供は無意識のうちに体を掻きむしってしまいます。しかし、この「掻く」という行為こそが、水疱瘡を悪化させる最大の原因となるのです。水疱を掻き壊してしまうと、そこから細菌が入り込み、二次感染を起こすリスクが高まります。二次感染を起こすと、傷が化膿して治りが遅くなるだけでなく、とびひに移行したり、痕が残りやすくなったりと、良いことは一つもありません。また、手に付着したウイルスを、他の場所に広げてしまうことにも繋がります。では、どうすればこの地獄のようなかゆみから、子供を守ってあげられるのでしょうか。まず、基本となるのが、医師から処方される薬を正しく使うことです。かゆみを和らげるために、抗ヒスタミン成分の入った飲み薬や、カチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)と呼ばれる、患部を乾燥させて保護する白い塗り薬が処方されることが一般的です。これらを指示通りに使用し、かゆみを内側と外側からコントロールします。次に、家庭でできる物理的な対策です。まず、子供の爪を短く、そして丸く切ってあげましょう。万が一掻いてしまっても、皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。夜、寝ている間に無意識に掻いてしまう子には、薄手の手袋(ミトン)をさせてあげるのも有効です。服装は、皮膚への刺激が少ない、ゆったりとした綿素材のものを選び、こまめに着替えさせて体を清潔に保ちましょう。また、かゆい部分を冷たい濡れタオルなどで優しく冷やしてあげるのも、一時的にかゆみを紛らわすのに効果的です。ただし、体を温めると血行が良くなり、かゆみが増すことがあるため、入浴は熱いお湯に浸かるのではなく、ぬるめのシャワーで汗を流す程度にしましょう。石鹸はよく泡立て、優しく洗い、タオルで押さえるように拭き取ります。これらの対策を総動員し、子供のかゆみを少しでも和らげ、掻き壊しを防ぐことが、水疱瘡をきれいに治すための最も重要なミッションなのです。
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水疱瘡の時の食事と水分補給のポイント
水疱瘡にかかると、発熱や倦怠感で食欲が落ちるだけでなく、口の中にできた発疹(口内炎)が、食事をさらに困難なものにします。体力をつけてウイルスと戦うためには栄養補給が大切ですが、無理強いは禁物です。子供の苦痛を和らげ、回復をサポートするための食事と水分補給のポイントを知っておきましょう。まず、食事で最も気をつけたいのは、「口の中を刺激しない」ことです。口内炎ができている時に、熱いもの、塩辛いもの、酸っぱいもの、香辛料の効いた辛いものを食べると、傷口に染みて激しい痛みを引き起こします。ケチャップやソース、柑橘系のジュース、酢の物などは、症状が落ち着くまで避けましょう。また、おせんべいや硬いパンなど、物理的に口の中を傷つける可能性のある食べ物もNGです。では、どのようなものが良いのでしょうか。おすすめは、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、冷たいポタージュスープ、豆腐、茶碗蒸しなど、喉越しが良く、あまり噛まなくても食べられる、柔らかくて冷たいものです。おかゆやうどんも良いですが、必ず人肌程度に冷ましてから与えてください。栄養バランスを考えるあまり、子供が嫌がるものを無理に食べさせる必要はありません。この時期は、まず「食べられるものを見つけてあげる」ことが最優先です。そして、食事以上に重要なのが、「こまめな水分補給」です。発熱で体内の水分は失われやすく、食事が十分に摂れないため、脱水症状に陥る危険性が高まります。水分だけは、意識して摂らせるようにしましょう。ここでも、酸味の強いジュースは避け、麦茶や湯冷まし、牛乳、イオン飲料(経口補水液)などを選びます。一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ、回数を多くして与えるのがコツです。ストローを使うと、口内炎に直接触れずに飲めることがあるので、試してみる価値はあります。子供が食事を摂れずにいると、親としては心配でたまらないかもしれませんが、数日間は水分さえしっかり摂れていれば、大きな問題にはなりません。焦らず、子供のペースに合わせて、優しくサポートしてあげてください。