鼠径ヘルニアの疑いで外科を受診しようと決めても、「病院でどんなことをされるのだろう」と不安に感じる方は少なくないでしょう。ここでは、初めて外科を受診してから、診断、治療方針の決定、そして手術に至るまでの一般的な流れを解説します。まず、初診日に行われるのは「問診」と「視診・触診」です。問診では、いつから症状があるか、どんな時に膨らむか、痛みはあるか、過去に手術歴があるか、といったことを詳しく聞かれます。次に、診察台で実際に患部を診察します。立った状態でお腹に力を入れてもらい、膨らみの状態を確認したり、横になった状態で膨らみが引っ込むかを確認したりします。医師が直接手で触れて、膨らみの硬さや大きさ、押して戻るかどうかなどを確かめる触診も重要な診察です。多くの場合、この視診と触診だけで鼠径ヘルニアの診断はほぼ確定します。診断をより確実なものにするため、あるいは他の病気との鑑別のために「超音波(エコー)検査」が行われることが一般的です。これは、ゼリーを塗った探触子を患部に当てるだけの、痛みも被ばくもない安全な検査です。腸が動いている様子や、ヘルニアの穴の大きさなどをリアルタイムで確認できます。これらの診察・検査の結果、鼠径ヘルニアと確定診断されると、次に治療方針についての説明があります。鼠径ヘルニアの根本治療は手術しかないため、手術の必要性や、具体的な手術方法について説明を受けます。現在主流となっているのは、お腹に小さな穴を数カ所開けてカメラを挿入して行う「腹腔鏡手術」と、鼠径部を数センチ切開して行う「鼠径部切開法」です。それぞれのメリット・デメリット、入院期間、費用などについて詳しい説明を受け、患者さんの希望や体の状態に合わせて最適な方法を選択します。手術日が決まれば、術前の血液検査や心電図などを行い、手術に備えるという流れになります。全体の流れを把握しておくことで、過度な不安なく、落ち着いて治療に臨むことができるでしょう。
鼠径ヘルニアの初診から手術までの全流れ