「肌が弱くて市販の日焼け止めが合わない」「アトピーでも安心して使える日焼け止めが欲しい」。そんな切実な悩みを持つ方の中には、皮膚科で特別な日焼け止めを処方してもらえるのではないか、と期待する方もいらっしゃるかもしれません。では、実際に皮膚科で日焼け止めを「処方」してもらうことは可能なのでしょうか。また、それは健康保険の適用になるのでしょうか。結論から言うと、一般的な日焼け対策を目的として、日焼け止めそのものを医薬品として保険適用で処方することは、現在の日本の医療制度では認められていません。日焼け止めは、あくまで化粧品や医薬部外品に分類されるため、その購入は全額自己負担となるのが原則です。しかし、だからといって皮膚科に行く意味がないわけではありません。皮膚科医は、患者さん一人ひとりの肌質や、アトピー性皮膚炎、ニキビ、光線過敏症といった皮膚疾患の状態を診断した上で、その人に最も適した市販の日焼け止めを「選んで推奨する」ことができます。これは、専門家による非常に価値のあるアドバイスです。例えば、アトピー性皮膚炎で肌のバリア機能が低下している患者さんには、刺激の少ないノンケミカル処方で、保湿成分が配合された低刺激性の製品を具体的にいくつか提案してくれます。また、ニキビに悩む患者さんには、油分が少なく、毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の製品を推奨するなど、肌トラブルを悪化させないための的確な指導が受けられます。さらに、一部の皮膚科や美容皮膚科では、医療機関専売のドクターズコスメとして開発された、高機能で低刺激な日焼け止めを取り扱っている場合があります。これらは保険適用外の自費購入となりますが、皮膚科学に基づいて開発されているため、市販品では満足できなかった敏感肌の方にとって、非常に心強い選択肢となります。つまり、皮膚科は「日焼け止めを処方してもらう場所」ではなく、「自分の肌に最適な日焼け止めを見つけるための、専門的なアドバイスをもらう場所」と考えるのが正しい理解と言えるでしょう。
皮膚科でもらえる日焼け止めはある?保険適用の実情