それは、三週間にわたるひどい風邪の後のことでした。熱も下がり、喉の痛みも消えたのに、空咳だけがしつこく残っていました。そして、咳が始まって二週間が過ぎた頃から、右の脇腹に鈍い痛みを感じるようになったのです。最初は筋肉痛だろうと高を括り、市販の湿布を貼って様子を見ていました。しかし、咳をするたびに、その鈍痛は「ズキッ!」というガラスの破片が刺さったかのような鋭い痛みに変わりました。寝返りをうつのも、ベッドから起き上がるのも一苦労。深呼吸をしようものなら、激痛で息が詰まりそうになる。あまりの痛みに、私は「これはただ事ではない」と感じ、まずはかかりつけの内科を受診しました。内科の先生は、聴診とレントゲン撮影の後、「肺に異常はありませんね。咳のしすぎで肋骨の周りの筋肉か軟骨を痛めたのでしょう。肋間神経痛のようなものですね」と診断し、咳止めと痛み止めの飲み薬、湿布を処方してくれました。しかし、それから一週間、咳は多少ましになったものの、脇腹の痛みは全く引きませんでした。特に、右の脇腹のある一点を指で押すと、飛び上がるほどの激痛が走ることに気づきました。これは筋肉痛とは違う。そう確信した私は、今度は整形外科の門を叩きました。整形外科の医師は、私の話をじっくりと聞き、痛い場所を丁寧に触診した後、「これは疲労骨折の可能性が非常に高いですね」と言い、超音波(エコー)検査を行いました。すると、モニターには、肋骨の表面が少し盛り上がり、骨の連続性がわずかに途切れている様子が映し出されたのです。「ここにヒビが入っていますね。レントゲンには写らないレベルの、典型的な肋骨疲労骨折です」。診断が確定した瞬間、私は長年の謎が解けたような安堵感に包まれました。痛み止めと、バストバンドというコルセットのようなものを処方され、とにかく安静にするようにと指示を受けました。原因がはっきりしたことで、精神的にも楽になり、ようやく治療に専念できる。そう思えた出来事でした。
私が肋骨疲労骨折と診断されるまでの道のり