「朝、一度塗ったから大丈夫」「SPF50+だから一日中効果が続くはず」。日焼け止めに関して、多くの人がこのような誤解をしています。しかし、皮膚科学の観点から言えば、日焼け止めは「一度塗ったら終わり」ではありません。その効果を持続させるためには、「こまめな塗り直し」が絶対的に不可欠なのです。では、具体的にどれくらいの頻度で塗り直すのが理想的なのでしょうか。皮膚科医が推奨する塗り直しの基本的なタイミングは、「二~三時間ごと」です。SPFの数値が高いからといって、効果が長時間持続するわけではありません。SPF値は、紫外線防御効果の「強さ」を示すものであり、「時間」を示すものではないのです。どんなに高いSPF値の日焼け止めでも、時間が経てば汗や皮脂で流れ落ちたり、服やマスクとの摩擦でこすれて取れてしまったりします。そのため、朝に一度塗っただけでは、昼過ぎにはその効果はほとんど期待できないと考えた方が良いでしょう。特に、以下のような状況では、より頻繁な塗り直しが必要です。まず、「汗をかいた後」や「海やプールに入った後」です。ウォータープルーフタイプの日焼け止めであっても、タオルで体を拭いた瞬間に、その効果は大きく損なわれます。タオルで水分を押さえた後は、必ず塗り直すことを徹底してください。また、「マスクを着用している時」も注意が必要です。マスク内の蒸れによる汗や、着脱時の摩擦によって、鼻や頬、顎周りの日焼け止めは、想像以上に落ちやすくなっています。ランチでマスクを外した後など、こまめに塗り直す習慣をつけましょう。日中の塗り直しには、メイクの上からでも使いやすいスプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを併用するのが便利です。ただし、これらはムラになりやすいため、基本の塗り直しはやはり乳液やジェルタイプで行い、補助的に使うのがお勧めです。完璧な紫外線対策とは、高い数値の日焼け止めを一度塗ることではなく、適度な数値のものを、適切なタイミングで、根気よく塗り直すこと。この地道な努力こそが、未来の肌を守る最も確実な方法なのです。
皮膚科医に聞く、日焼け止めの塗り直し本当の頻度