喉の痛みに加えて、「声がかすれる」「声が出にくい」といった声の変化が伴う場合、それは声帯に何らかの異常が起きているサインです。声は、左右一対の「声帯」が呼吸に合わせて開閉し、声を出す時に閉じて振動することで生まれます。この繊細な器官にトラブルが生じると、声がれ(嗄声)として症状が現れるのです。このような場合、声帯の状態を直接、詳細に観察できる専門的な設備を持つ「耳鼻咽喉科」を受診することが絶対に必要です。声がれを伴う喉の痛みの最も一般的な原因は、「急性声帯炎」です。風邪のウイルスなどが声帯に感染し、炎症を起こして赤く腫れ上がってしまう状態で、無理に声を出そうとすると声帯にさらに負担がかかり、症状が悪化します。治療の基本は、とにかく声を出さずに喉を休ませる「沈黙療法」です。耳鼻咽喉科では、炎症を抑える薬の処方や、ネブライザー治療などが行われます。また、歌手や教師など、日常的に声を酷使する人に多いのが「声帯ポリープ」や「声帯結節」です。声帯に強い負荷がかかり続けることで、粘膜に血豆のようなポリープや、タコのような硬い結節ができてしまい、声帯がうまく閉じなくなるために声がかすれます。これも、ファイバースコープによる観察で診断が可能です。治療は、保存的な音声治療から、場合によっては手術が必要になることもあります。さらに、注意が必要なのが「喉頭がん(声門がん)」です。特に、喫煙者に多く見られ、初期症状として進行性の声がれが現れることが特徴です。風邪でもないのに数週間にわたって声のかすれが改善しない、あるいは悪化していく場合は、絶対に放置してはいけません。早期発見できれば、声を失わずに治療できる可能性も高まります。このように、声がれという症状の背後には、単純な炎症から腫瘍まで、様々な原因が隠れています。声は、社会生活を送る上で非常に大切な機能です。その異常に気づいたら、安易に自己判断せず、必ず声帯の専門家である耳鼻咽喉科医の診察を受けてください。
声がれを伴う喉の痛み、その原因と行くべき科