大人がRSウイルスに感染した時、最も悩まされるのが、様々な症状が一体いつまで続くのかという見通しの立たない不安です。特に、日常生活や仕事に大きく影響する症状の持続期間は、誰もが知りたい情報でしょう。ここでは、主な症状別に回復までのおおよその期間を解説します。まず「発熱」ですが、これは比較的早い段階で落ち着くことが多い症状です。三十八度前後の熱が出ることが多いですが、通常は発症から二日から四日程度で解熱します。ただし、高熱が五日以上続く場合や、一度下がった熱が再び上がるような場合は、肺炎などの合併症も疑われるため、医療機関への再受診が必要です。次に「鼻水や鼻づまり」です。初期症状として現れ、水っぽい鼻水から始まり、徐々に粘り気のある黄色や緑色の鼻水に変化していきます。この症状は、通常一週間から十日ほどで改善しますが、副鼻腔炎を合併すると長引くことがあります。そして、多くの人が最も苦しむのが「咳と痰」です。RSウイルスは下気道、つまり気管支の深い部分で炎症を起こしやすいため、咳の症状が強く、そして長く続くのが最大の特徴です。最初は乾いた咳から始まり、次第にゼロゼロ、ゴホゴホといった湿った咳に変わっていきます。この咳のピークは発症から四日から七日目あたりに訪れ、日常生活に支障をきたすほど激しくなることもあります。そして、熱などの他の症状が治まった後も、この咳だけがしつこく残るのです。気道が過敏な状態が続くため、ちょっとした刺激で咳き込む状態が続き、完全に咳が気にならなくなるまでには、平均して三週間程度、人によっては一ヶ月以上を要することも稀ではありません。最後に「倦怠感」です。全身のだるさは熱と共にピークを迎え、解熱と共に和らいでいきますが、すっきりとした体調に戻るまでには二週間ほどかかる人もいます。このように、症状ごとに回復のペースは異なることを理解しておくことが大切です。
しつこい咳はいつまで?大人のRSウイルス症状別回復期間